*「薔薇と罌粟」見本*実際は縦書きです*



其処は、滅多に人の来ない森の中だった。
あまり人が来ない故、修業にもってこいの場所なのだ。
思い切り、修業に集中できるからである。

今日も、その少年は一人で其処にやって来ていた。
修業の為に。

一通り修業を終えると、木の根元に座り込み、目を閉じ、いつものように瞑想をはじめた。

強くなりたい。
もっと、強くなりたい。
誰の為ではなく、自分の為に…

すると其処へ、人の気配がした。
自分の所属する班のチームメイトのリーか、テンテンか、担当上忍のガイかとも思ったが、気配からして違う。
リーかテンテンなら、まだ少年少女なのだから、こんなに足音が重いわけがない。
かと言って、ガイとは足取りが全く違う。
もし万一、ガイだったとしても。
彼と二人きりになっても話が続くかどうかが不安だった。
まあ、ガイが一人で怒涛のように熱く喋りまくるので、ネジとしてはただそれを聞き流すか、適当な相槌を打っていればいいのだが、正直それすらも面倒な時がある。

だが、ガイとは違うだろう。

願望にも近い確信が、心の中にあった。